ビットコインの利用例 - 国際送金
前回の記事ではショッピングにおける利用例をご紹介し、マーチャントにとってビットコインは決済手段として利便性が高いということをご説明しました。
一方でユーザー側にとってメリットを感じる利用分野としては国際送金があると思います。
例えば日本から海外の家族、知人に送金をする場合銀行送金を利用すると4000円から5000円の送金手数料に加えて、別途中継手数料が発生し、なおかつ、受取側の銀行でも受取手数料が発生することが一般的でした。また所要時間もよくて数日、国によっては1週間以上かかることも珍しくありませんでした。
それに対して、ビットコインを用いて個人間送金を行った場合、その処理は10分以内に格安の手数料で海外送金が完了します。
もっとも仕送り等、受け取り側がビットコインではなく、現地の通貨が欲しい場合は現地のビットコイン会社のサービスを利用する必要があるかもしれません。
具体的な事例をあげると、アフリカやフィリピンではモバイルマネーといい、モバイルのSIMカードに現金残高を格納しておけるサービスが普及しています。Airtimeと違い携帯の通話料だけではなく、ショップで商品の購入やエージェント店舗で現金の引き出しなどができ、また定期預金も可能でその場合利息もつきます。そのため、銀行代わりにこのモバイルマネーサービスを利用している人も多く、先進国の金融業界からも注目を集めています。モバイルマネーの運営母体は国によって違いますが、一番有名なのはケニアのMpesaであると思います。
このようにアフリカやフィリピンではモバイルマネーのアカウントに送金が行えれば便利なのですが、ビットコインをこの現地通貨のモバイルマネーに変換して国際送金を行うサービスプロバイダーはすでに存在しています。例えばアフリカではケニアでスタートしたBitPesaは指定したビットコインと同額の金額を現地の指定した電話番号の相手にモバイルマネーとして送金してくれます。同社はケニア、タンザニア、ウガンダ、ナイジェリアなどのアフリカ各国をサポートしています。
筆者も、日本で購入したビットコインを利用してアフリカのタンザニアに住む知人に上記サービスを利用して少額の送金を行いましたが、ほぼ瞬時に送金が完了したのが印象に残っています。